ピョンジンソプ

morisakikazuo2005-03-10

Morris.が勝手に「黄金時代」と決め付けている80年後半から90年始めの10年足らずの期間で、若手男性歌手の「御三家」と言えるのは、イスンチョル、パンナムジョン、そして今日紹介するピョンジンソプだろう。
ピョンジンソプは3人の中では一番地味な感じがするが、あの時代の雰囲気を一番感じさせる存在かもしれない。
1966年7月30日生れ、87年大学在学中にMBC新人歌謡祭で銀賞受賞、翌88年に発表したデビューアルバムから「ホルロデンダヌンゴッ--一人になるということ」と「セドゥルチョロム--鳥のように」の2曲が大ヒット、89年のセカンドアルバムからは「ノエゲロトダシ--また再びあなたに」「ローラ」「スンニョエゲ--淑女に」「ヒマンサハン--希望事項」と4曲が大ヒットして、若手バラード歌手第一人者の折り紙がつけられた。
「ヒマンサハン」は当時無名だった女性シンガーソングライター、ノヨンシムの作品で、コミカルな歌詞と歌謡曲としては特異なメロディを持つ曲で老若男女に親しまれた。さだまさしの「関白宣言」に似ているといわれたりもしたが、Morris.はもちろん、ヒマンサハンの方が好きである。

ヒマンサハン(希望事項) 作詞 ノヨンシム
ジーンズの似合う女の子、ご飯をいっぱい食べてもおなかの出ない女の子
僕の話がつまらなくても笑って聴いてくれる女の子
ぼくはそんな女の子が好き
ムースつけなくても綺麗な艶のある黒髪の女の子
目と目で察しがつくくらい気のおけない女の子
キムチ炒飯作るのが上手で、笑顔がすてきな女の子
ぼくがお金持ってないときでも気軽に会える女の子
特にお洒落しなくても可愛い女の子
音を立ててガムを噛まない女の子
ふくよかでも脚が綺麗でミニスカートが似合う女の子
ぼくが落ち込んでても優しく慰めてくれる女の子
ぼくと付き合うことにした後はミーティングには絶対出ない女の子
僕はそんな女の子が好き

なんて勝手な男の歌だと思われるかもしれないが、作詞のノヨンシムは女の子だから、おしまいに、ちゃんとどんでん返しが用意されている。

Morris.は「ホルロデンダヌンゴッ」を当時ノレバンでの十八番にしていた。いかに恐いもの知らずだったかと、今になって思うくらい、この曲は実は難しい曲だった(^^;)あらためてピョンジンソプの歌唱力に脱帽である。
先日「開かれた音楽会」でひさしぶりに彼の姿を見ることができた。ちょっと肥ったかんじはあるが、顔なんか当時と全然変わってないし、声も歌いかたもそのままだった。でも新曲より、過去の曲がうんと良かった、ということは、やっぱり今の時代ではヒットするのは難しいと思う。