パクシチュン・ベスト10

morisakikazuo2009-07-03

また、2ヶ月ほど更新をサボってしまった(>_<)
ネタはいくらでもあると豪語してた割には何とも情けない。
やっぱり例の韓国歌謡曲データサイト閉鎖が痛かったみたいだ。
言い訳はほどほどにして本題に入る。
このところずっとMorris.が一番気にかかってる作曲家パクシチュン(朴是春)のことを書かなくては、と、ずっと思ってた。このブログでも以前に取り上げた「春の日は過ぎ行く」の作曲家である。
これまた前に取り上げた延辺アガシポルカのカセットテープや、ヒョンイン(玄仁)の曲の多くがパクシチュンの作曲である。
とりあえず、韓国版Wikipediaや音楽サイトを参考にして、彼の略歴を紹介する。

パクシチュン(朴是春)は本名パクスンドン(朴順東)、1913年10月28日慶尚南道キョンサンナムド)密陽(ミリャン)に生まれる。
初期のペンネームはキムサンファ(金尚和)。
裕福な家庭の次男として生まれ、父が妓生(キーセン)養成所の見番を運営していたことから、音楽に興味を覚える。
トランペット、サックス、バイオリン、ギターなど多くの楽器をこなす。
中学時代から日本に留学し大阪中央音楽学院時代、楽団を編成して地方巡業を行った。
作曲家としての活躍時期は1935年から60年代にかけてで、1938年発表の「エスエサヨコク 哀愁の小夜曲」(歌ナムインス)の大ヒットで、花形作曲家となり、生涯に三千曲以上の作品を残した。
1939年朝鮮楽劇団の日本公演に参加する時はヒョンギョンソプ・ソンヒソンなどと共に'アリランポイズ'という男性ボーカルチームを作って公演。
哀傷性濃厚なトロット歌謡の全般的な雰囲気の中でも彼の作品には比較的明るくて素朴な曲が多い。
主なヒット曲は「カゴラサムパルソン 去れ38線」「イビョレプサンチョンゴジャン 別れの釜山駐車場」「クッセオラクムスナ がんばれクムスナ」「チョンソンヤゴク 前線夜曲」「シルラエタルパム 新羅の月夜」「Lucky Seoul」「ナンランシッパルセ 朗々18歳」「サムダドソシク 三多島消息」
彼の作品は旋律が感覚的で洗練されているところが特徴といえる。そういった意味で作詞家チョミョンアムとの相性が良かった。優れたギター奏者でもあったパクシチュンは、作曲の面でも非常に真剣で、特に前奏、間奏などのフレーズの細かい部分にまで細かい気遣いを見せている。
また50年代には韓国放送公社(KBS)の軽音楽団を率いて放送歌謡と映画音楽も多数作曲した。 58年には自ら映画制作会社を興して直接映画を作ることまでした。
1958年、レコード作家協会初代会長に就任
1961年、韓国演芸教会の初代理事長に就任。
1982年、大韓民国政府から、大衆歌謡作曲家としては初めての文化勲章宝冠章が叙勲される。
1996年6月30日ソウルで逝去。
没後、日帝時代に親日的な活動をしたということでナムインスとともに、糾弾され、彼の名を冠した音楽祭などが名称変更されたり、楽曲の放送を控えたりする傾向もあったが、行きすぎという声もある。

あちこちのサイトから切り貼りしたので、何となく統一感を欠くかもしれない。すまんm(__)m
ともかくもMorris.は、彼の曲調にすっかり心酔している。先の引用にもあったように、前奏、間奏、オカズ(^_^;)のきめ細かいフレーズは、ミニギター練習するたびに驚かされる。
日本留学の経歴からも、当然当時の日本流行歌の影響も大きかったと思う。やはり古賀政男の曲にはかなりインスパイアされてるようだ。しかし、Morris.は彼の曲を聴くと、もう一人の巨人、服部良一を連想してしまう。
ジャズに造詣の深かった服部良一とパクシチュンの不思議なリズムを使用する資質には、どこか通底するものがあるような気がするのだが、どうだろう。
今日はMorris.の完全な独断と偏見によるパクシチュン作品のベスト10を紹介したい。

1位 
이별의 부산 정거장(イビョレ プサンチョンゴジャン) 別れの釜山駐車場 歌・ナムインス
めちゃくちゃ前奏が長い。しかもめちゃくちゃかっちょいい(^_^) Morris.はこの前奏の練習だけでかなりの時間を費やしてしまったよ(^_^;) その割に成果はいまいちだけど(>_<) ナミンスの澄んだ声も素晴らしいし、テンポの良さはパクシチュン作品でもピカ一だと思う。Morris.の歌本や、カラオケCDROMに収めてあるバージョンも2番の歌詞までしかない。
むくげの会の堀内さんが、この歌の3番を歌ってくれたときはちょっとびっくりした。これもそのうちゲットしなくては。
2位
봄날은 간다(ポムナルンカンダ) 春の日は過ぎゆく 歌・ペクソリ
これに関しては、以前の書き込みを見てもらおう(^_^;)
3位
삼다도 소식(サムダドソシク) 三多島便り 歌・ファングムシム
「三多島」は済州島の異称である。風が多い、石が多い、女が多いという意味らしい。大阪生野区に多く住んでいる在日の大部分は済州島出身なので、この歌は人気が高い。
サランバン常連の山ハラボジは、この歌をママから直接指導受けて十八番にしている。先日某催しで舞台で披露したらしい。
Cで始まり、途中Fmに転調するところが、ぞくっとさせるくらいかっちょいい(^_^;)
4位
굳세어라 금순아(クッセオラクムスナ) がんばれクムスナ 歌・ヒョンイン
これまた軽快なテンポなので、明るく楽しい曲と思ってしまう。Morris.はノリノリで歌ってたのだが、実は、これは朝鮮戦争の時に生き別れになった恋人?「クムスン」への切実な思いを歌った歌だった。
これを題名にしたペドゥナ主演の映画があって、まだ見る機会がないが、これはやっぱり見たい。
5位
럭키 서울(ロッキーソウル) ラッキーソウル 歌・ヒョンイン
これはイパクサの十八番の一つ(彼の十八番は2万曲くらいあるらしいけど(^_^;))で、Morris.もパクサの歌で覚えたので、どうしても最後の「ルルルルルルルロッキーソウル」は巻き舌になってしまう。
6位
낭랑 십팔세(ナンナンシッパルセ) 朗々十八歳 歌・ペンナナ
元歌のペンナナバージョンより、90年代にディスコカバーしたハンソギョンバージョンで人気沸騰した。これをタイトルにしたドラマも作られて、これはMorris.もGyaOで全編見ることができた。もっともこのドラマでのこの曲はラップバージョンでいまいちだった(^_^;)
7位
감격시대(カムギョクシデ) 感激時代 歌・ナムインス
これはナムインスにしては、珍しくちょっとドスの効いた「ヂョヲラ、ヂョヲラ」のたたみかけるような歌い方が面白かった。
8位
애수 의 네온가(エスエネオンガ) 哀愁のネオン街 歌・オクトゥオク
きっとこの歌はマイナー中のマイナーかもしれない。Morris.はオリジナルは聴いたことがなく、チャンサイクのカバーですっかりはまってしまった。
チャンサイクはきっとパクシチュンがすごく好きなんだと思う。この曲はイミジャの「ファンホネブルス 黄昏のブルース」にちょっと似ている。
9位
비내리는 고모령(ピネリヌンコモリョン) 雨降る顧母嶺 歌・ヒョンイン
これも、チャンサイクがカバーしてるということで覚えてしまった。この歌の前奏フレーズは正に古賀ギタースタイルである。
10位
고향 만리(コヒャンマルリ) 故郷万里 歌・ヒョンイン
歌本にはボレロと書いてあるが何か不思議なリズム&メロディラインである。実はこの歌まだMorris.マスターしてない(^_^;) パクシチュンの曲って、知れば知るほど奥深いものがありそう。

代表曲の「エスエサヨゴク」「シルラエタルパム」「コヒャンチョ」「カゴラサムパルソン」などがペスト10に入ってないというお叱りの声があるかもしれないが、あくまでMorris.の好みということで勘弁してもらいたい。