シムスボン

morisakikazuo2005-02-01

「ナムジャヌンペ、ヨジャヌンハング--男は船、女は港」という曲でよく知られているシムスボンだが、77年大学歌謡祭で「クテクサラム--あの時あの人」を歌って歌謡界にデビューしているから、芸歴は長い。現在40代後半だろう。
Morris.は、はじめ、彼女を単なる女性トロット歌手の一人くらいに思っていたのだが、オアシスレコードの廉価版CD「沈守峰Golden Album」を聴いているうちに、だんだん彼女の声の魅力の虜になってしまった。このアルバムには11曲が収められている。(12曲目は1曲目のインスト)

  1. ナムジャヌンペ、ヨジャヌンハング--男は船、女は港★
  2. ヨジャイニカ--女だから
  3. ミウォヨ--憎いわ★
  4. サランバッケンナンモルラ--愛しか知らない★
  5. イバンイン--異邦人★
  6. クテクサラム--あの時あの人★
  7. ムグンファ--無窮花(むくげ)★
  8. クデワテンゴルル--あなたとタンゴを★
  9. オルカウレンサランハルコヤ--秋には愛せるかしら★
  10. ナエサゲジョル--あたしの四季★
  11. キサスキサスキサス(外国曲)

6曲目の「クテクサラム」はデビュー曲だが、84年の復帰アルバム「シムスボン新曲第一集」で、リメイクされたもののようだ。とにかく彼女が本領を発揮するのはこのアルバムからといってもいいだろう。おどろくべきは、彼女のヒット曲の大半が彼女自身の作品ということだ。上の曲中★印のあるものはシムスボン作詞作曲となっている。たいしたものである。
しかし、9曲目の「オルカウレン---」はMorris.が偏愛してやまないパンミ(キムヘヨン嬢の先輩歌手に当たる)のオリジナルナンバーではないか?
そこで、パンミのCDを見たら作詞ソパンソク、作曲シムミギョン、となってる。歌本などを見ても、やはりソパンソク、シムミギョンだから、これはオアシスレコードのミスではないかと思われる。
(追記:これは後で、シムミギョンはシムスボンの本名だということが分った。作詞に関してはよくわからない)

彼女の魅力はあの「男たらし」といってもいいくらい艶然、纏綿たる訴求力溢れる声と歌い方にあるのだろう。歌詞もそれに即したせつせつと語りかける感じの作品が多い。Morris.は就中「クテクサラム」が好きで、ノレバンでも良く歌っていたものだが、最近イスヨンがカバーアルバムの中でえらくライトに歌ってるのを聴いてあらためてこの曲の良さを再認識させられた。
そういえば3曲目の「ミゥオヨ」は96年にユチェヨンが「快速」という怪作アルバムの中で何とポンチャックディスコスタイルでカバーしてたし、とても男が歌うとは思えない「ヨジャイニカ」をナフナがカバーしてるのを聞いたことがある。代表曲「ナムジャヌンペ---」にいたっては、我らがキムヘヨンを始め、ポンチャックテープにはたいてい入ってるくらいの普及ぶりである。
しかし、一番シムスボンらしい曲といえば4曲目の「サランバッケンナンモルラ」かもしれない。特にラストの題名そのままの歌詞の部分は、聴くたびに総毛立つ気分にさせられてしまう。
数年前には「百万本の薔薇」を韓国語歌詞でヒットさせるなど、現在も現役で活躍中だが、彼女は韓国歌手の本道をひた歩んでいるというべきか、舞台でもあまり派手な衣装はまとわず、地味目なスタイルが多い。顔立ちもいかにも平凡なアジュマ顔で、町で会っても気付かないのではないかと思われるくらいである。
先日「開かれた音楽会」に出演していたが、やっぱりアジュマだなあ、と思ったが、ほんの一瞬ちょっと芸能人っぽいカットがあったので貼り付けておこう(^^;)

1978年大学歌謡祭に本名のシムミギョンで出演し、名曲「クテクサラム」をピアノの弾き語りで歌った映像を見ると「天才少女」としか言いようが無い。確かあまりに上手すぎるというので大賞を逃したという話を聞いた覚えがある。

「クテクサラム」のビデオ